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日本の『万能包丁』が、世界共通の“万能”ではない、そのワケ

2024/07/09

包丁を使う

料理好きな方が包丁を買う際に“気になるところ”として、その包丁が「どう使えるか」「どんな料理に適用するのか」ということが挙げられるかと思います。
そしてきっと、「どのような料理にでも、まんべんなく使えるといいな」と考えるのではないでしょうか。
弊社の製品の中に、『万能包丁』と呼ばれるものがあります。『牛刀』と『和洋刀(三徳包丁)』がこれにあたり、日本の多くのご家庭で使われている包丁だと言えるでしょう。そしてこのことは、日本に詳しい海外の方にも良く知られているようで、ご自身用として、また贈り物として、当店を訪れ、『牛刀』や『三徳包丁』をお求めになる海外の方が非常に多くいらっしゃいます。
日本の包丁を知って頂けること、認知が広がってお使い頂けることは、大変嬉しくありがたいものです。
だからこそ、もう一歩踏み込んで知って頂きたいことがあります! それは、「万能包丁と呼ばれる『牛刀』と『三徳包丁』ではあるものの、 “すべての料理文化において万能”と見なされるわけではない」ということ。

今回は、弊社の『万能包丁』の意味について、お話していきたいと思います。

牛刀と三徳包丁は、日本の万能包丁です

日本の料理において、牛刀と三徳包丁は欠かせない存在です。
というのも、日本で調理されるあらゆる食材に対応できる最適な設計となっており、日本の家庭で料理をする上では万能と言える包丁であるためです。
日本で一般的に使われる食材とは、牛肉、豚肉、鶏肉、魚、野菜など。おおよそ、他の国と変わりは無いのかもしれません。食べる前にそれらを切り、調理が施され、食卓に並べられるわけです。
これだけ言うと、「食材が同様なのであれば、日本以外の国にとっても、牛刀と三徳包丁は日本同様に“万能包丁”ではないのか?」と思われるかもしれません。
しかし、違います。
なぜなら、国により、肉や魚の販売方法が異なるためです。
日本で肉は、骨なしでの販売が一般的です。仮に骨付きであったとしても、それを調理前に取り除く工程はなく、骨付きのままで揚げる等、骨を取り除かずに調理されることとなります。
魚も同様で、骨の無い魚、例えば柵で販売されるお刺身用の魚などは、ご家庭で切って完成となりますが、骨付きの魚である場合には骨を取り除くことなく、焼く煮るなど骨ごとの調理を前提としたものが主になります。
つまり、日本の家庭において包丁を使って骨を取り除くことや、力を込めて骨を切り分けるという調理は、ほとんどありません。
よって、柔らかい食材を扱うことの多い日本の食文化だからこそ、牛刀と三徳包丁は“万能”であると言えるわけです。

しかし、他国においては、骨付きの肉を購入し、身と骨とを分ける調理を日常的に行う食文化もありますよね。そのため、「日本においては万能包丁と呼ばれる『牛刀』と『三徳包丁』ではあるものの、 “すべての料理文化において万能”と見なされるわけではない」ということなのです。
このことを、ぜひ知っておいていただきたいと思います。